残便感 改善 便秘解消

残便感につながる「直腸性便秘(ちょくちょうせいべんぴ)」とは

残便感 改善
残便感は便秘により引き起こされることが多いです。また、便秘にはいくつかの種類があります。

 

□便がたまっているのにトイレに行きたい、という感じがしない・・・
□便が出そうで出ない
□肛門付近に便が溜まっているのに、出てこない
□肛門付近にムズムズした残便感がある

 

このような症状がある場合、「直腸性便秘(ちょくちょうせいべんぴ)」と言います。

 

直腸性便秘の人は、便が直腸まで降りてきているのに便意を感じないため、トイレに行かずどんどん便がたまってしまいます。
そのため慢性的な便秘につながりやすく、残便感や痔にもなる可能性が高いです。最近このタイプの便秘が増えていると言われています。

 

一般的な便秘に比べ改善が難しいとも言われ「スーパー便秘」とも呼ばれる「直腸性便秘」について、症状や原因、改善方法などを見ていきましょう。

直腸性便秘は、口臭や体臭の原因にも

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直腸性便秘は、習慣性便秘の一つで、他に「弛緩性便秘」・「痙攣性便秘」があります。

 

 

直腸性便秘の人は、便が直腸までおりてきても、便意が起こらないためトイレに行かず、どんどん便がたまってしまいます。たまっているのに便意が起こらず、気がつけばひどい便秘になっている・・・という悪循環に陥ります。また、肛門付近にムズムズとした残便感があったり、痔になったりします。

 

そして、本来直腸に便が届くと便意が働き、外に押し出そうとする蠕動運動が起きます。しかし便意が起こらなかったり、押し出そうとする蠕動運動が起きなくなったりしていると、排便が行われず便は腸にたまり続けます。便秘は通常大腸で起きるトラブルが原因ですが、直腸性便秘の場合は直腸までおりてきた便がつまってしまい便秘になってしまう、という状態です。

 

また、大腸より太い直腸に便がたまるため、便は太く硬くなっていまい、スムーズに排便することが困難になります。さらに便自体が太くなると、場合によっては肛門が切れて出血してしまい痔になる可能性もあるのです。

 

排便がスムーズにできないことも辛いのですが、便が直腸に詰まっている状態も非常に苦しいのです。何度も激しい腹痛や残便感に襲われることもあります。

 

それから、直腸性便秘は慢性化しやすいタイプの便秘です。腸に便がたまっていると腐敗して有害なガスを発生させ、血液中に溶け込み、体臭や口臭等を悪化させることがあります。また発がん性物質を発生させるので、大腸がんを発症させる危険性もあります。

 

直腸性便秘が口臭や体臭の原因にも!

 

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直腸は、たまった便が腐敗して発生させた有害な毒ガスを吸収する働きがあるのです。
そして、血液を通して体内から口臭や体臭として臭いを発するのです。
もし、原因不明の口臭や体臭で悩んでいたら、その原因は便秘かもしれませんよ。

 

直腸性便秘の原因とは

直腸性便秘になってしまう原因ついて見てみましょう。

 

便意の我慢

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勤務中や外出中にトイレに自由に行けない・・・
勤務中にトイレに行くと、さぼっていると思われて行けない・・・
基本、シフト勤務中のトイレは禁止されている・・・
他の人がいると排便しづらい・・・
ついつい面倒くさくて、排便を後回しにしがち・・・
思い当たる人も多いのではないでしょうか。

 

便意が起きても我慢をすると、次第にその便意がおさまってしまう、という経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
便意を我慢し続けると、直腸に便がある状態に体が慣れてしまうのです。

 

日常的にトイレを我慢していると、直腸に降りてきた便が排出されずたまっていきます。便意を我慢(無視)し続けることで、次第に便意を脳に伝える働きが鈍くなり、そして直腸の感覚が鈍化し、便意を感じなくなってしまうのです。さらに直腸にたまった便は、水分を吸収され、硬い太い便となり、さらに排便が困難になってしまいます。

 

また、痔を患っている人も、その痛みからつい便意を我慢しがちです。排便時に痛みがあるため、つい排便回数を少なくしようとして便意を我慢してしまい、その結果直腸性便秘になるという悪循環を招きます。

 

 

下剤や浣腸の常用

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また便意の我慢のほかにも、便秘を解消しようと下剤や浣腸を頻繁に使用していると、薬の副作用により直腸の感覚が鈍くなってしまうこともあります。

 

安易に下剤や浣腸を多用するのは、便秘を悪化させることにもつながりますので、注意が必要です。

 

また、直腸性便秘は、市販薬に多い刺激性下剤では解消することはできません。刺激性下剤は大腸を刺激して、便を動かす蠕動運動を促すものです。
しかしすでに大腸を通り直腸まで降りてきている状態の直腸性便秘で、刺激性下剤を使用してしまうと、下痢になってしまう可能性があります。

 

 

直腸瘤(レクトシール)

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強い残便感がある人は「直腸瘤」という病気の可能性があります。

 

「直腸瘤」とは直腸内にポケットのようなふくらみができてしまうことを言います。レクトシールとも呼ばれ、女性特有の便秘の原因となる症状です。

 

排便時に本来肛門へ行くはずの便が、肛門ではなく、弱くなった直腸膣隔壁の方へ流れていってしまいます。直腸が膣の方へ脱肛するような形になり、ポケットのようなものができてしまいます。
これが「直腸瘤」です。いきんでもポケット状のくぼみに便がたまってしまい、便が排出されにくくなり、便秘を引き起こすのです。

 

この症状は、日頃から排便時にいきむ習慣がついていると、無理ないきみで便の圧力がかかり、直腸瘤ができやすくなったり、出産や加齢により、膣と直腸の筋肉の壁が弱くなってしまったりすることが原因です。直腸瘤は出産経験のある女性に多いと言われますが、排便時のいきみが原因のこともあるため出産経験のない若い女性でも直腸瘤ができてしまう人もいるようです。

 

女性は男性よりも骨盤が大きく、直腸の前には膣があるため、その空間があることから、直腸が広がるスペースがあります。男性は直腸の前には前立腺や周囲組織があるため、直腸はそれ以上広がることはありません。

 

直腸瘤ができると排便時にいきんでも弱った隔壁の方へ力がはたらき、いざ出しても便の量は非常に少なく、強い残便感があります。
そのような場合は、早めに病院で受診しましょう。

 

 

骨盤底筋のゆるみ

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骨盤底筋がゆるんで衰えると、排便がスムーズにできなくなり、直腸に便がたまり、直腸性便秘が悪化しやすくなります。

 

骨盤底筋はインナーマッスル(体幹を構成する筋肉の総称)の一つです。骨盤の底部にあり、ハンモックのように、膀胱、膣、子宮、直腸といった内臓が下がらないようにさせています。

 

尿道や膣、肛門を締めるなど重要な役割を果たしている筋肉で、加齢や運動不足などで徐々に衰えていきます。また出産経験や子宮の手術の経験がある女性は、骨盤底筋が緩みやすいとも言われています。骨盤底筋のゆるみは産後の尿もれの原因などにもよく聞かれますが、同様に便秘の原因にもなるのです。

 

 

アニスムス

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便を排出しようとすると骨盤底筋が緊張してしまう症状が「アニスムス」です。便を排出するときのいきみが、逆に便の排出を妨げてしまうのです。

 

というのは、通常排便する時は、肛門周辺の筋肉である骨盤底筋は自然に緩み、直腸から肛門までの角度が開き便が出ます。しかしアニスムスの場合、排便時にいきめばいきむほど、肛門周辺の筋肉が緊張してしまい、肛門が閉じてしまうのです。

 

直腸は肛門のすぐ手前で曲がっていて、その曲がっている部分を「直腸肛門角」と言います。通常、直腸肛門角はほぼ直角なのですが、排便しようとするときには肛門が下がって緩み、その角度は直角よりも大きくなります。いわゆる肛門が開いている状態です。逆に便を我慢しようと肛門に力を入れる時は角度が直角よりも狭くなります。
こういった作用が、アニスムスの場合はコントロールがうまくできなくなります。

 

この場合は、出ないからとむやみにいきむと逆効果なので、ゆっくり深呼吸するなどしてムダな力を抜くようにリラックスしてみましょう。

 

直腸性便秘の解消法

直腸性便秘は「習慣性便秘」とも言われます。
「習慣性便秘」とは、文字通り習慣化してしまった便秘で、判断の目安としては3日以上便が出ない日が月に4日以上あることを指しています。

 

習慣になってしまった便秘の解消法は、それまでの生活習慣を見直すことから始めてみましょう。

 

 

便意を我慢しない!そのための生活習慣改善

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直腸性便秘は便意を我慢しないことが最も大切です。
便意を感じたらそのタイミングでトイレに行くように心がけましょう。

 

しかし勤務状況や職業柄難しい場合は、まず仕事中に便意を我慢しなくてすむように、生活習慣を見直すことから始めましょう。
朝、出勤する前に排便を済ます習慣をつけることがもっとも重要です。

 

 

朝は出かける前に時間に余裕をもつことが大切です。

 

朝食をとり、ゆっくりトイレに行く時間を確保しましょう。
朝は食欲が出なくて朝食も摂れない・・・という人は、水や牛乳などを飲むことから始めてもいいでしょう。グリーンスムージーなどは食物繊維も摂れて、便秘に効果的なのでオススメです。
朝食は空っぽになったお腹に刺激を与え、腸の蠕動運動が活発になり、夜のうちに作られた便を排泄しようとします。

 

そこで便意を我慢してはまた便秘になってしまうので、朝出かける前にトイレに行くことを習慣づけましょう。やはり外出先での排便よりも、自宅でゆっくりトイレに行く方が落ち着きます。

 

勤務中トイレに行きにくい人こそ、朝トイレに行く習慣をつけ、日中、便意を我慢することのない生活を目指しましょう。

 

 

食生活の改善

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まずは水分と食物繊維を意識して摂るようにしてみましょう。

 

便秘で便が硬いままだと、便意は感じにくいままです。
水分は一日に2,000ml〜2,500ml飲むことをおすすめします。
といっても食事時に摂る水分も含まれていますから、食事の際には必ず汁物を用意することで、水分として意識的に補給する分は1,000ml〜1,500mlくらいで良いと思います。

 

その際、冷たい水を一度に大量に飲むのではなく、常温の水を少しずつ飲むようにしましょう。
尚、コーヒーなどのカフェインを含む飲み物は利尿作用があるので、水またはカフェインの含まれない麦茶などで水分補給をしましょう。

 

 

骨盤底筋のゆるみはトレーニングで鍛えよう!

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最近インナーマッスルトレーニングなど、体幹を鍛えるトレーニング法をよく耳にします。
骨盤底筋はインナーマッスル、つまり筋肉なので鍛えることができます。

 

骨盤底筋のゆるみが便秘を引き起こしているかも、と思われる方は、運動不足解消も含め、骨盤底筋トレーニングをしてみるのもおすすめです。

 

 

なかなか改善されない場合は受診しましょう

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一般的な便秘解消法ではなかなか便秘が改善されないときは、直腸瘤、アニスムス、もしくは他の疾患が原因の場合もあります。

 

原因を特定するためにも、改善されないひどい便秘は早めに病院で受診しましょう。

 

 

直腸瘤

 

初期の直腸瘤では、食事指導や生活改善指導、緩下剤の便秘薬の処方などの治療が行われるようです。
緩下剤で、強くいきまなくても便を出しやすくするようにします。
緩下剤は刺激性下剤とは異なり、効き目が穏やかで、長期間服用しても癖になりにくい薬です。

 

しかし便秘薬でも改善が見られなかったり、症状が進行してしまうと膣の後ろ側を指で押さえないとうまく排便できなくなったり、重症化してしまうと手術が必要な場合もあるとのことです。

 

具体的な治療法は症状や医師の見解で変わってくると思いますので、いち早く信頼できる医師の元で診察を受けるようにしましょう。

 

 

アニスムス

 

アニスムスにより起きる直腸性便秘は治療方法も複雑になるようです。

 

便秘外来では「バイオフィードバック訓練」といった、正しい排便方法を身につける場合もあるそうです。
肛門にカテーテルを入れて圧力をはかりながら、どんな力の入れ方をすると肛門が閉じてしまうのか、モニターで数値を見ながら実感していくという方法です。
これで力の抜き方のコツを習得していくのです。
数値にすることで適切な感覚が得やすく、この方法だけでスムーズな排便ができるようになるケースもあるようです。

 

 

排便時の注意点

自分がうまく排便できていないかもしれないと感じている方は、排便時の姿勢やいきみ方の注意点をおさえておきましょう。

 

洋式トイレの場合

 

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排便時には前傾姿勢になる
かかとを少しあげる
いきむ時に脇腹と背中の筋肉を意識する(全身でふんばらない)

 

 

和式トイレの場合

 

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便座にしゃがむだけでリラックスしやすい姿勢になります。
ただし、最近は自宅や公共トイレも洋式トイレが主流となってきていますので、和式トイレでは排泄できないという方もいるかもしれませんね。

 

直腸性便秘の場合、いきみすぎに注意!

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直腸性便秘が悪化すると、トイレに長い間座っていても、出そうで出ない、肛門すぐのところに便があるような気がするのにいきんでも出てこない、苦しくてたまらない、そういう状態となってしまいます。
試しに手で肛門を触ってみると、しっかりと便があるのが分かるのに、なぜ出てこないんだろう、と悩ましい状態になってしまいます。

 

しかしながら、力いっぱいいきむのは非常に危険です。

 

直腸にたまった便は非常に太く硬くなっていることが多いですから、力づくで無理矢理排泄しようとすると痔になることがあります。

 

さらには脳卒中や脳出血を起こしてしまうこともあるそうです。
力いっぱいいきむことで、瞬間的に血圧が30〜40も上がってしまうと言われいて、その急激な血圧の上昇に脳内の血管が耐え切れなくなり脳卒中や脳出血を起こす可能性が出てくるのだそうです。
高血圧の方や高年齢の方は特に要注意です。

 

もし、肛門付近に便があるのが分かっているのにも関わらず、固くて太くて一向に排泄される気配がない場合は、肛門科を受診して、摘便してもらうことをオススメします。摘便とは、医師や看護師によって便を取り除いてもらう医療行為です。時々、自身で摘便してしまう人もいますが、肛門付近の粘膜は非常に薄く敏感で、傷つけてしまうこともありますので止めましょう。

 

また、直腸に詰まった便を取り除いた後は、直腸性便秘になりにくくするよう便意の我慢を止め、腸内環境を整えることが大切です。

 

便秘になりにくくするために腸内環境を整えよう

直腸性便秘は直腸に便が溜まる便秘ですが、その原因は他の便秘による切れ痔などの場合もあります。
そのため、腸内環境を整えて、便秘になりにくくすることが重要です。

 

 

まとめ

1 「直腸性便秘」とは、便が直腸までおりてきても、便意が起こらないため、トイレに行かずに、便がたまってしまう便秘です。

 

2 肛門付近にムズムズした残便感を感じることがあります。

 

3 直腸性便秘の原因は便意の我慢の他、下剤・浣腸の常用、直腸瘤、骨盤底筋のゆるみ、アニスムスなどが挙げられ、一般的な便秘解消法では改善されないケースもあります。

 

4 直腸性便秘の解消法は便意を我慢しないことが第一で、他に生活習慣や食生活の改善、直腸瘤やアニスムスの場合は医師の受診が必要です

 

5 直腸性便秘は、他の便秘による切れ痔などが原因で起きることもあります。そのため、便秘になりにくい腸内環境を整えることが重要です。

 

 

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